ツインテール探偵くるみの事件簿
「ここって昔なにかあったの?」
栞さんが訊いた。
全員、リビングの床に座って望月さんの話を聞く体勢になった。くるみは抱きつくように栞さんの腕に掴まっている。これが目的で話を振ったのだろう。
「昔、35年くらい前にこの屋敷にひかるちゃんという子供がやってきたの」
その子供が履いていたのが青いサンダルだという。その日6組の家族が泊まっていたのだが、
「ひかるちゃんが来た翌朝、泊まっていた人たちが無残な姿で発見された」
「どうなってたの?」
「クモの糸のようなものでぐるぐる巻きにされていた。でもたった一人だけ無事だったのが
ひかるちゃん。手には同じようなものが握られていたそうよ」
噂は広がり、毒グモ荘と呼ばれるようになったのだ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん