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ツインテール探偵くるみの事件簿

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 古くなった門柱には三雲荘、以前はそう書かれていたのだろう。表札の『三』を『毒』に変えられていた。
「ひどいイタズラするものね」
 表札を見ていた栞さんが言った。
 辻さんが『立ち入り禁止』とプレートの付いた鎖を外した。
「それじゃ明日の朝迎えに来るから気をつけてね」
 と言って車は去って行った。

「こりゃあ、出るな」
 木造2階建ての屋敷を見上げながら倉田先輩が言った。窓ガラスはほとんど割れていた。扉にはくもの巣が張っている。
「よかったな、くるみ。お前の望みが叶ったぞ」
「ち、違う。これは違うよ」
「さっきお前が言ってたやつじゃないか」
「わたしが行きたいのは惨劇が起こる前の屋敷、これは惨劇が起こった後じゃない」
「面倒な女だな。ほら行くぞ」
 くるみの腕を引っ張って扉へと向かった。

「ちょっと待て」
 扉を開けた倉田先輩が止めた。
「ガラスやら釘が散乱してる」
 男三人が玄関のゴミを取り除いた。きれいになると古い感じがしない。
「よし、いいぞ」
「ほら、くるみ」
「本当にここに泊まるの?」
「いやならお前は外で寝ればいいだろ」
 と、言って中に入った。