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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「そば屋をやってるんですか?」
 後ろの座席に腰を降ろしながら訊いた。
「この辺りでは有名な老舗のそば屋なの」
 望月さんが答えた。
「昔からそばばっか食わされたよ。本当はスパゲッティが好きなんだけどね」
「みんな乗ったよ」
 くるみが明るい声で言った。

 車は坂道をどんどん登って行った。
「本当に大丈夫?この辺り携帯の電波届かないよ」
「なにかあったらのろしを上げる」
 運転していた辻さんが大きな声で笑っていた。
「早く着かないかな」
 くるみは車の中でも楽しそうだ。
「わたしも久しぶりに行くんだよな」
 懐かしむように辻さんが言った。
「今は誰もいないんですか?」
「あそこはちょっと変わってるからね」
 と、言葉を濁した。
「なんていう名前なんですか?」
「毒グモ荘」
 緩んでいたくるみの表情が固まった。