ツインテール探偵くるみの事件簿
事の顛末はこうだ。
まず、俺の前で転んだ桃果はスカートに付いた苔を取るために更衣室に入った。髪を結んでいたらくるみがタオルを取りにやって来る。
「そんなんじゃだめ。もっと可愛くしないと」
と、頼んでもいないのにお得意のツインテールに仕上げてしまった。
その一方でくるみは自分の髪をストレートにした。二人がプールに戻った時、くるみの髪型をした桃果、桃果の髪型をしたくるみがいたことになる。じっくり見たわけではないので美咲も気付かなかった。二人は背丈も同じくらいだ。
そして桃果は理科のレポートを提出することを思い出し、
「ちょっと職員室に行くから、終った時にいなかったらみんなに言っておいて」
と、能登にこと付けて出て行った。だが妄想中でずっと目をつむっていた能登は視界がぼやけ、背の低いツインテールの女の子しか記憶に残らなかった。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん