ツインテール探偵くるみの事件簿
「最後に桃果を見たのだれ?」
「30分前に転んだのを見ましたけど」
俺は栞さんに答えた。
「タオル取りに更衣室に入ったらいたよ」
全員くるみを疑惑の目で見た。
「あー、またこいつか、みたいな顔してる。ひどーい」
当然だ。
「それで桃果はどうしたの?」
「一緒にプールに戻ったよ。15分くらい前かな」
「その時ならわたしが二人を見ました」
美咲が手を上げた。
「で、その後見た人は?」
返答はなかった。
「全員背中見せてゴシゴシやってたから、いなくなってもわからなかったぞ」
「でもなにも言わずにいなくなるなんてよっぽどのことよ」
栞さんがいらついているのはめずらしい。本当に心配なんだろう。
手分けして探すことになった。俺とくるみはプールの清掃が終ったことを職員室に報告してからだ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん