ツインテール探偵くるみの事件簿
「どこかで休んでるんだろ」
倉田先輩がのん気に言った。
「仕事を放り出すような子じゃないんだけど」
望月さんが排水溝を見ている。全員その周りに集まった。
「やめてよね」
「どれどれ」
倉田先輩が排水溝の鉄格子を上げようとしたが、持ち上がらない。
「溶接されてるから無理だな」
「当たり前よ。いくら桃果が小さいからって」
「聞こえる」
望月さんが耳を傾けていた。
「風じゃないですか」
俺も耳をそばだててみた。
「桃果って泳げないの?」
突然くるみが訊いた。
「さあ。水泳の授業は今度が始めてだから」
美咲が答えた。栞さんと倉田先輩、望月さんは2年で残りは全員1年生だ。
「気になることがあるのか? くるみ」
「ちょっとね」
少し顔がこわばっていた。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん