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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「ちぇっ。泳げないんだって。せっかく浮き輪持ってきたのに」
 タオルで頭を拭いている女の子が俺を見上げた。しばし、その子の顔を見る。
「ああ、くるみか」
「どういう意味よ」
「髪型が違うから。一瞬だれかと思った」
 ツインテールではなくストレートなのでわからなかった。
「あれ、ワトくん。くるみは?」
 栞さんがきょろきょろしていた。
「もう、どこ見てわたしって判断してるの?」

 制服は夏服になり、男子は半袖のワイシャツにグレーのスラックス。女子はチェック柄プリーツスカートに半袖ブラウス、胸元に赤いリボン。
「どうせ私はツインテールだけの女よ」
 いつもの髪型に戻しながらくるみがむくれていた。
「そろそろ終りにしましょうか」
 プールの真ん中で栞さんがみんなに声を掛けた。ブラシを一箇所に集めると、8本あるはずが7本しかない。
「桃果は?」
「更衣室かも。わたし見てきます」
 だが戻って来た美咲が首を横に振った。

 清原桃果が忽然と消えてしまったのだ。