ツインテール探偵くるみの事件簿
「再現してみましょ」
栞さんが助け舟を出してくれた。
全員、廊下に出て栞さんの説明を聞いた。
「まず、美咲が部室に入って内側からかぎをかける」
栞さんがノブを回して確認。
「外から来なくっちゃ駄目なの?」
「正確に再現しましょ」
と、くるみの背中を押して外へ行かせた。くるみが校庭から出入り口に足を踏み入れた瞬間、栞さんが窓枠を乗り越えて外へ。
くるみが探偵事務所の前でかぎを探していると、栞さんが音を立てずに再び中へ。静かに近寄り、
「だあれだ」
と、両手でくるみに目隠しをした。
「今は二人っきりよ」
栞さんが耳元で囁く。朝のキスが頭に浮かんだのだろう。栞さんの手から逃れようと体をくねくねさせて隣の部室まで移動。「何をしてるんだこの二人は?」といった顔で望月さんがそばを通過。ようやく目隠しを外してくるみが部室に逃げ込もうとかぎを差し込み、開錠。望月さんがあかずの部屋を開ける。大きな音を立ててバットが数本廊下に散乱。くるみと栞さんが驚いてそっちを見る。
「これが種明かしみたいね」
くるみが自分のいる場所を確認する。
「え? え? えーーー!」
漫画同好会の部室を開けたことにはじめて気付いたようだ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん