ツインテール探偵くるみの事件簿
「そうだ。部室からだれか出て来たのを見たぞ」
「本当? なんでそれを言わないの。誰?」
「それが思い出せないんだ」
と言った時、その人物が現われた。
「ここにいたのね。はい、章吾から預かってた」
と、部室のかぎを能登に渡した。
誰? といった顔でくるみが栞さんを見ると、
「倉田くんの双子の妹、章子よ。漫画部の副部長」
会った気がしたのは双子だったからだ。章子さんは栞さんをにらんでいたが、なにも言わずに出て行こうとした。
「お待ちください、章子さん」
こんな物言いをするのは、くるみしかいない。
「わたし忙しいんだけど」
「お時間は取りません。そうですね、将棋を一局指すくらいの時間ですよ」
ドラマの将棋刑事三吉になりきっているようだ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん