ツインテール探偵くるみの事件簿
「朝、栞さんが言っただろ。どのかぎでも開くって」
誰かが開けただけの話だ。
「誰が?」
くるみがみんなを見回す。
「誰がって……」
「わたしのかぎはワトちゃんに渡したでしょ」
確かに俺のポケットにある。
「わたしたちは奥の部屋で片づけしてたからアリバイありよ」
栞さんが疑いの目を俺に向ける。
「ちょ、ちょっと待って。俺は開けてませんよ」
「正直に言え。今なら一発で許す」
美咲が手を上げた。
「男の子だもん。みんなわかってくれるって」
栞さんが優しく諭す。逆に怖い。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん