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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「そこら辺にあるんじゃないか?」
「ないわ。これは事件よ。あなた名前は?」
「渡辺透」
「じゃ、ワトちゃんでいいわね」
 略すな。
「事件を解決するために、わたしの助手をしなさい」
「は?」
「わたしは今度この学校で探偵をやることになった、星村くるみ」
「探偵? そんなことが許されるのか? それになんで助手なんか」
「胸触ったでしょ。償いなさいよ」
「あのな」
 近寄ると、両手で胸を押さえた。
「わかったよ。なにをやればいいんだ?」
「わたしの目となって調べて頂戴」

「階段の下にもなかったよ」
 踊り場に戻ってからくるみに言った。
「事件発生時、他にここを通った人はいなかった」
 くるみが指に顎を置いた。
「犯人はわたしたちの中にいる」
 そう言って、俺と歩美を見た。
「ばか言え。なんで教科書なんか盗むんだよ」
「二人は明日、理科の授業はある?」
 歩美はなかったが、俺はあった。
「わたしもない。つまり……」
 俺に向かって指をさし、
「ワトちゃん、あなたが犯人よ」
 助手の次は犯人かよ。

「なんで俺が犯人なんだ?」
「教科書がなければ嫌いな理科の授業は中止になる。それが動機よ」
「無茶苦茶だ」
「と、とりあえず、今ある分だけでも持って行きませんか?」
 くるみがしぶしぶ同意した。