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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「ここが私たちの探偵事務所よ」
 そう言って、くるみは『星村探偵事務所』と書かれたプレートをドアに貼り付けた。
 俺たちがいるのは葉桜学園の隅にあるプレハブの建物の中で、以前は運動部の部室だったものだ。

 ドアを開けると、部屋の中はガランとしていた。
「まずは机よ」
「報告書でも書くのか?」
「馬鹿ね、ワトちゃん。足を組んで座って、推理を披露するんじゃない」
 くるみの探偵のイメージだろう。
「その為にわざわざ用意するのか?」
「いいから、いいから。いらなくなった教員用の机があるの」
 と言って、俺の背中を押した。

 部室の近くに倉庫があり、古くなった机やロッカーが置かれている。そこから事務所の前まで二人でやっとこさ運んきた。
「ああ、重たかった。さっ、部屋に入れましょ」
 だが、ドア枠にぶつかって入らない。
「もっと押してみて」
「無理だよ。机の方が大きすぎる」
「いいから、やってみて」
 ミシミシ言って、プレハブの建物が揺れる。
「この、この、なんで入んないのよ」
「諦めた方がいいんじゃないか」
「もう、あったまきた」
 くるみが机を乗り越えて部屋に入った。そして、カバンを持って出て来ると、
「帰る」
「えええ」
 くるみはスタスタとプレハブの建物から出て行ってしまった。