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ツインテール探偵くるみの事件簿

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 栞さんのおかげで許可が出た。
「アバウト先生もわたしの漫画のファンなの」
 栞さんの漫画はあなどれない。
「これって結構重いね」
 壊れたトロフィーをくるみが台の上に乗せた。
「2キロはあるね。ある程度押さないと倒れない」
「5分経過」
 ドアに寄り掛かって腕時計を見ている歩美が言った。
「うっさいわね。事件が起きたのはいつ頃?」
「5時のチャイムが鳴ったときだよ」
「窓は開いているのね」
「今日は暖かいから」
 栞さんも窓の外を見た。くるみは窓からドアの方へと目を向けた。屋上に通じる階段が見える。
「ワトちゃん、なんでもいいので長ーいひも持って来て」
「ひも?」
「早く」

「ビニールのひもでよかったか?」
「じゃ、栞ちゃん。お願いね」
 栞さんがひもの先を持って、廊下に出た。
「ワトちゃんはトロフィーが倒れた時と同じ姿勢になって」
 中に入って数歩の場所にしゃがんだ。くるみがドアからひもを伸ばして、俺の頭上を通り、トロフィーへと向かった。ビニールひもが一直線に伸びていた。
「栞ちゃん、階段あがって」
 ひもの位置がが少し高くなった。
「20分経過」

「次はボールのようなものを探して」
 四つん這いになって隅々を探した。
「残り5分」
「わたしの推理が正しければ絶対あるはず」
 だが、それらしいものはなかった。
「終わりよ」
 歩美が強い口調で言った。