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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「うちに遊びに来て」
 くるみが栞さんに言った。疑ったお詫びに招待するつもりなんだろう。
「もちろん、行くわ。ね、ワトくん」
 俺は何も言ってない。

 そして、今くるみの家にお邪魔している。
「いらっしゃーい」
 くるみのお母さんが出迎えてくれた。この人がひかるちゃんか。優しそうなお母さんだ。
「ついに本丸ね。なにが起こってもおかしくないわよ」
 と、囁く栞さん。
「この子っておっちょこちょいでしょ。いったい誰に似たんだか」
「もう」
 くるみが口を尖らせていた。俺も栞さんも微妙に笑っていた。

「お腹空いたでしょ。カレー食べる?」
 栞さんを見ると、
「大丈夫、お薬はあるから」
 と、泣きそうな顔をしていた。

 今回は無事に食事が出来た。何度もあんなことがあってたまるか。
「あら、変ね」
 その言葉は聞きたくなかった。たぶん栞さんもだろう。
「どうしたの、お母さん」
「指輪がないのよ」
 嫌な想像をしてしまった。たぶん栞さんもだろう。
「もしかしたらカレーの中に入ったのかも」
 と、星村親子が笑っていたが、全然おかしくなかった。

「本当にないの?」
「料理する前はあったんだけど、買ったばかりでスカスカだったせいね」
「残ったカレーの中にはないよ」
 くるみが鍋の中を探っていた。
「じゃ、お腹の中かな」
 また親子が笑っていた。

 結局、お母さんの避けた野菜の中で見つかった。
「野菜が苦手でよかったね」
 俺と栞さんは疲れた顔を見合わせた。