小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

　後日、栞さんに真相を訊くと、
「捨てたって言ってもあの子信じないでしょ」
　でも大切な作品だからどうしても破けなかった。だからきれいに切って、残しておくつもりだったのだ。くるみが一番怒っていた６ページは二つに切って重ね、さらにクロスに切ったが、下の方は途中までしか切れなくて、あのような形になったのだ。

　偶数ページにはきわどいシーンを描いて、発表する場によって入れたり、抜いたりするらしい。読者にも有名な話で、
「わざと抜いておいたりもするの」
　そうして想像力をかき立てるのだという。栞さんはちょっとＳっぽいところがある。イニシャルからしてＳＳだ。

　今後はくるみのチェックが入るものの、『ツインテール探偵くるみの事件簿』という名前で今までの事件の内容を漫画にしていくことになった。

　こうして『切り裂かれた漫画原稿事件』の幕は降りたのだった。