ツインテール探偵くるみの事件簿
「栞ちゃんがわたしだけにわかるように暗号をしたためていたの」
くるみはホワイトボードに磁石で原稿を貼り付けていった。5ページ、6ページの上部、6ページの下部、7ページ、3ページ、1ページと並んでいた。
「5、メ、ン、7、3、1。つまり『ごめんなさい』になるでしょ」
強引過ぎないか。特に『ン』のところなんか。
美咲と桃果から「なるほど」という声があがる。
「くるみならわかってくれると思ったわ」
と、栞さんが言った。たぶん、嘘だろう。
「栞ちゃん」
「くるみ、ごめんね」
「ううん、栞ちゃんは悪くないよ」
栞さんが大きく腕を広げると、くるみが飛び込んで行った。二人がガバッと抱き合う。美咲と桃果が目に涙を浮かべて見ていた。俺には茶番にしか見えない。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん