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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「なあ、ワトル。なんとかなんないか。栞さん、すっごく機嫌が悪くて」
 漫画を見てもらっても、つっけんどんな態度で批評するらしい。
「くるみも同じだ」
 声を掛けても生返事しか返ってこない。
「針の筵にいる気分よ。真犯人がいるなら見つけて」
 と、桃果が頼み込む。

 二人に背中を押され、探偵事務所でムスッとしているくるみに相談した。
「くるみがやったんじゃないもん。知っらない」
「そう言わずにさ。真犯人捕まえて栞さんをぎゃふんと言わせよう」
「ぎゃふんと?」
 俺が頷くと、くるみが腕組みして考え出した。
「そうね。探偵自身で無実を晴らすのも悪くないわね」
 外で様子を伺っていた美咲と桃果にOKのサインを送った。

 切り裂かれた漫画の原稿は全部で5枚。
 1、3、5、6、7ページの番号が振られていた。

「2ページと4ページは?」
「さあな、くるみは見たんだろ」
「よく覚えてない。あ、でも6ページは……」
 二人がケンカをしたのも6ページの内容が原因だった。過激というほどでもないが、探偵と漫画家が夜を共にする直前で終わっている。

 原稿は全てカッターのようなもので真っ二つにされていた。6ページだけは上半分をXに切って三角形が四つ、下半分は小文字のyみたいに、小さな三角形が二つと大きな三角形一つに切られていた。

「ひょっとしたらこの切り方に何か意味があるのかも」
 しばらく、机の上で並べ替えていた。そして、
「ワトちゃん、みんなを集めて」
 と、確信を得た顔でそう言った。