ツインテール探偵くるみの事件簿
「探偵さんに魔法を見せてあげる」
香苗さんは分厚い本を持ってきた。
「わたしは適当にめくってもどのページかわかるのよ」
目を閉じてパラパラとめくり始めた。
「ここが200ページ」
そのページを確認して折り目を入れる。
「次が300ページ」
また確認して折り目を入れる。
「そして最後が500ページね」
3箇所に折り目が入った本を俺に渡した。ページは全て当たっていた。
ひょっとしたらこれはトランプの……と思っていたら、
「ワトちゃん、本当馬鹿ね」
「まだ何も言ってないだろ」
「トランプの手品と同じでしょ。小学生なら騙せたでしょうね」
挑戦的な目で香苗さんを見ていた。
「じゃ、今度はくるみさんが開いてみて」
と、言って本を渡した。
くるみが適当に開く。香苗さんの所からではページ番号までは見えない。
「それじゃ当てるね。うーん」
と、額に人差し指を当てた。
「当たるわけないでしょ」
「わかった。開いたのは376と377ページ」
くるみが固まっていた。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん