ツインテール探偵くるみの事件簿
四人で静かなティータイムになった。誰も喋らないので、
「お兄さんがいらっしゃるんですか?」
と、話を振った。
「いいえ、どうして?」
香苗さんが訊いた。
「柔道着が干してあったので」
「あれは香苗さんのよ」
くるみがティーカップを持ちながら言った。
「なんでわかるんだよ」
「見たところ彼氏なしの大学生だと思いますが」
突然なにを言い出すんだ。しかもかなり失礼。
「なぜわたしに彼氏がいないってわかるの?」
「まだ6時です。それなのに家に一人でいる」
「それで?」
「柔道に打ち込みすぎて彼氏ができないんだと。違いますか?」
ハラハラしながら聞いていたが望月さんは平然としている。
「それとペンダント。女性らしい趣味を持ちたいと始めたのではありませんか?」
香苗さんの胸元には見よう見まねで作ったようなペンダントがあった。
「彼氏がいたら、もっと大人っぽいのを贈ると思います」
「失礼ね」
香苗さんが口を尖らせた。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん