ツインテール探偵くるみの事件簿
種はこんな感じだ。
あらかじめ、ハートのエースがどこか憶えておく。
次に、ハートのエースだと思うものを選んでもらう。スペードの10なら、今度はスペードの10だと思うものを選んでもらう。ダイヤの7なら、最後にダイヤの7だと思うものと言いながら、仕込んでいたハートのエースを抜き取る。
こうして、言った通りの三枚のカードが揃うのだ。
「じゃ、ワトちゃん。スペードのキングだと思うカードを選んで」
さっそく、くるみがチャレンジした。
裏にしたカードの中で不自然に一枚だけ飛び出しているのがある。選ぶと可愛そうなので端を指さして、
「じゃ、これ」
と言うと、くるみが固まった。
「それはだめ」
「どうして」
「端っこはだめなの」
意味がわからん。後で訊くと、栞さんから「ワトくんは種を知ってるかも」と言われ、わざと一枚飛び出したようにしたのだ。そして種のカードは端っこに置いておいたのだ。
「もう、ワトちゃん。複雑に考えすぎだよ」
それはお前だ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん