ツインテール探偵くるみの事件簿
「付き合うって、本気なの?」
栞さんが訊くと、里穂は真っ直ぐに栞さんを見て、
「本気です」
と、強く答えた。
「ワトくんはどうなの?」
「えっと」
「もう、わたしと付き合うって言いなさいよ」
甘えるように俺の腕を引っ張る。
「先、帰る」
くるみがカバンを手にしてドアに向かった。
「待てよ、くるみ」
腕をつかんで引き止める。
「なによ」
「えっと、だからその」
「早く帰りましょ」
里穂が俺の腕を引っ張った。
「ワトちゃんはわたしの助手よ」
「それがなにか?」
カッとなった表情で、里穂と対峙した。
「ワトちゃんはわたしのものなの」
ものってなんだよ、ものって。
「ひょっとして付き合ってるんですか?」
「そう。探偵と助手なんだから当然でしょ」
会話がかみ合ってない気がした。
「ふたまたしてたんですか?」
と、俺に顔を向けて訊いた。
「え? でも君とはまだ付き合ってるわけじゃ」
「いえいえ、星村さんと、それから」
里穂が栞さんを見ていた。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん