ツインテール探偵くるみの事件簿
放課後、部室が開いてなかったので、くるみを探すと、中庭の芝生の上で寝ていた。そばには栞さんが座っていた。
「くるみ、探偵事務所開けてくれよ」
チラッと俺を見てから、プイッと横を向いてしまった。制服の背中に芝が付いてしまっていた。そこへ、里穂がやって来て、
「こんな所にいたんだ。一緒に帰ろうよ」
と、俺の腕を取った。くるみが無言で立ち上がり、どこかへ行ってしまった。栞さんも後に続く。すれ違いに、
「くるみを泣かすようなことしたら許さないから」
と、冷たい声で言った。たぶん、本気だろう。
探偵事務所の前に来ると、『ワトちゃん出入り禁止』と張り紙がしてあった。それを取って、ドアを開けた。
「なんだよ、これ」
「わたしの助手をやめたいんでしょ」
くるみはノートパソコンを見ていた。栞さんも怒った表情だった。
「そんなこと言ってねえだろ」
「あー、こんな所にいた。ねえ、早く帰ろうよ」
と、里穂がやって来た。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん