ツインテール探偵くるみの事件簿
次の日、廊下を歩いていると、正面からくるみと栞さんがやって来て、
「あ、ワトちゃん。今日のお昼はどうするの?」
と、くるみが訊いたとき、突然後ろから里穂が腕を取って、
「もうすぐ授業始まっちゃうよ」
と言って強引に引っ張って行った。
昼休み、部室で弁当を食べようとして教室を出ると、栞さんが来て、
「里穂と本気で付き合うの?」
「くるみが依頼をこなさなかったから怒ってるんじゃないですか」
「どういうこと?」
「くるみがいると声を掛けるんですが、それ以外は全くないんですよ」
俺とくるみを引き離そうとしているように思える。
「ふーん、いつからワトくんはくるみの彼氏になったの?」
「え?」
確かにそれが前提になっていなければならない。
そのとき、くるみがやって来た。
「あ、くるみ。部室のかぎ、貸してくれ」
「ちゃんと戸締りしてよ」
と、ポケットを漁っていた。
「ねえ、一緒にお昼食べよう」
里穂が俺の腕を取った。それを見て、くるみが無言で立ち去った。栞さんが慌てて追いかける。すると、里穂は俺から離れ、
「ごめん、友達とお昼食べよって約束してたんだ。じゃあね」
と、こんな感じなのである。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん