ツインテール探偵くるみの事件簿
二人の所に戻ると、気まずそうにしていた。お互い恋人がいたんだと思っているはずだ。
公園の中からくるみが手を振って現われた。
「みんなー、ごめんね」
口には食パンをくわえていた。
「一緒に学校行こうって言ったのに。寝坊しちゃった。えへ」
ぽかりと自分の頭をたたいた。たぶん、くるみの中で青春とはこういうものだと思っているのだろう。
「こら」
栞さんが指でオデコを突く。この人もすぐのるから。そしてくるみがわざとらしく、里穂たちを指さす。
「あー、ひょっとして二人って付き合ってるの?」
微妙な表情で顔を見合わせていた。
「じゃ、私たちはお邪魔だね。行こう行こう」
俺と栞さんの腕を取って歩き出した。
「ね、うまくいったでしょ」
と、くるみがウインクする。
「ばっちりよ、くるみ」
嘘を付け、嘘を。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん