ツインテール探偵くるみの事件簿
「なにしてんの」
いつの間にか現れたくるみが両手で俺と栞さんを分けていた。
「ほら、いい方法だったでしょ」
栞さんがニコッと笑った。くるみを呼び寄せる方法かよ。
「で、どうするんだ。探偵さん」
「困ったわね」
「事情を話せばいいだろ。好き合ってることがわかったんだから」
「でも試されたんだって思うかもよ」
と、栞さんが言った。
「二人を引っ付ける方法を考えればいいんでしょ」
「わたしとワトくんが付き合ってることにする?」
そう言って、俺と腕を組む。
「それはだめ」
くるみが腕をほどく。
「どうして?」
「そ、それは」
栞さんは心理的に追い込むのが好きなようだ。
「ふたまたになっちゃうでしょ。それはよくない」
栞さんが顎に手を置いて、
「それもそうね」
どうせくるみをからかうために言っただけだ。
「わたしに考えがある。任せて」
「わかった、くるみに任せる」
無責任なことを言う人だ。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん