小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

【完】恋愛症候群【過去作】

INDEX|10ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 

 愛とは何か






「千歳」


と呼ぶと、彼女は驚いたように振り返った。シュウはというと、なんだか困ったような顔をしている。



「俺は千歳が大好きだ。好きじゃ表せないぐらいに愛してる。確かに昔は山口が好きだった。でも、その後はずっと千歳だけが好きなんだ。だから……」


「ちょっと、待って、」


千歳が、困ったように眉をひそめ、俺を止めた。


「今そんな事を言われても、困るよ。だって、」













「だって、私はもう君を好きなんかじゃない」
















「……すまない、アキラ」


日の暮れかかった土手。
アキラを真ん中にして座ったタカシと俺。自分の膝に頭を埋めたアキラに、俺は謝った。


「……なんでシュウが謝るんだよ」


「何回も林に言われてた。もうお前を好きでは無いから、ヨリなんて戻せない。と」


「……」


「でも、林、な。わからないんだと。『好き』のかえし方がわからなくなっちまったんだと」


アキラがゆっくりと顔をあげる。
流石に泣いてはいなかったが、凄い惨めな顔をしている。


「あと、愛が」


「……愛…?」


「ああ、林はその…愛が独特らしい。自分で自覚していた。アー……『狂っている』と」


「は?」


アキラだけじゃなくタカシも首を捻った。



「『殺されるぐらいの愛が欲しい』とか、『愛すると殺してしまいたくなる』だと。……まあ、俺はそれも一つの純愛だと思うけど」


問題はお前なんだぞ。アキラ。


「…本当の『愛』ってなんなんだろう」


タカシがポツリと、呟いた。