小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
浜口 早苗
浜口 早苗
novelistID. 15458
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

田舎暮らしのさなえってぃ

INDEX|7ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

Vol.7



台風が来る! 今年は少なげに見えたけれど、来るものは来るんだなぁ。しかも本州を横断して、それもすぐ近くを。
今年の日本は異常気象なのか、とてもアツい! けれど、台風は怖い! 都会に住んでいるときには、Hey! Jumping Jack Flash! It’s gas, gas, gas. なんて、ロックンロールしてたけれど、田舎はそうは行かない。しかも、ダーリンは不在。

展示会の設営は終わったようだけれど、いろいろ不具合が出てきたりして大変なようだ。 ちょっと規模が大きくなると、大変だよね。今回は美術誌からの取材もあるみたいだし。けれど、ダーリンはほっとくとそのまま放浪の旅をしかねないから、ある程度のところで呼び戻さなくてはいけない。これは、さなえってぃの大事な仕事のひとつ。源さんが一緒だからってあまり当てにはできないのだ。けれど、「そろそろ帰ってきてね」っていうと、素直に帰ってくるところがこれまたダーリンのいいところだ。タイミングかな。きっと「直ぐ帰ってきて」なんていうとダメなのかもしれない。

あ、そうそう、台風。ある程度、準備しなくては。 アトリエが一番気がかり。ほとんど作品は残っていないにしても、全くなくなったわけではないから。 次回作の書きかけが数点。どうする?って、窓さえ壊れなければ大丈夫なんだけど。やっぱり、嵐は都会と違って田舎では結構脅威なんだと思った。近くに崩れてくる崖はないけれど、川はある。溢れてきたら水浸しだな。少しこの辺は高くなっているから、大丈夫とは思うけれど鉄砲水って怖いって言うし。夜中なんかに来られた日には、周りに民家が少ないから余計心配と思いつつ、描きかけの絵を見てると、ん~、絵っていいな~と思わず見いってしまう。
こんな風に描けたらな、といつも思うのだが、中学のときに美術で2をとって以来、自分は美術には向いてない、と早くも自覚したのだった。ドローイングはまぁまぁだったのに、筆を取ると、何でこんな絵になるのか自分でも分からないくらい、下手な絵しか描けなかった。頭の中ではこう描こう!と思うのに、絵の具を塗っていくとまるで違って、なんだよこれ、って自分でも思ってたし。才能というのは全く無いときはないんだ。

で、他の家族はいつも通り。なにか不吉なことが起これば、彼らが何かの兆候を示してくれるんじゃないか?と期待している。 ゲンタも元気いっぱい! いつも通り。 君はきっと、何かあったら物陰に隠れて、自分だけ助かるつもりなんだろう? しかし、そんなことを言ったら、大ちゃんもブリリンも一緒か…。
ぶーちゃんは、一番頼りになって、一番頼りにならない唯一の拠り所かもしれない。なんか、日本を背負っている気がするのだ。 ぶーちゃんは…。

そういえば、あの森さんは、富山に行った様だ。立山に登ったといっていた。山岳フェチかとおもって、私なぞ、高尾山くらいしか上ったことが無い、って言ったら、その立山にある神社に御参りするためだったらしい。決して山登りフェチではないとのこと。 でも山頂ピークには霊験新たかな物が宿ってるんじゃ、とか思ったが言わないことにした。 立山の郷土風土も学んできたらしい。 あの辺って風が強くて、よく、JRも止まったりするらしいけど。 “おわら盆”とか”風の盆“というお祭りがあるらしい。なんか、響きがいいなぁ。
しかし森さんはこんな時、頼りになるだろうか…。源さんと同様、あまり当てにはできない気がする。本当に危険が迫って、或いは実際に災害にあったら、俄然張り切って助けるタイプだと思う。

と、いうことで、ローソクとか、テレビとかインターネットでしっかりと準備をしておこう! あ、避難場所どこだったっけ……。