大陸戦線異聞
「答えが出たそうよ」
女が男に声をかけた。
「案外早かったな」
男は腕時計を見て、それほど時間が経っていない事を確認した。
「まあ、もとより時間はあまり無かったわけではあるが」
そう言いながら男はゆっくりと立ち上がり、女が差し出した無線機を手に取った。
「フィオナです。あの・・・」
「結論だけ言え」
「あ、はい。あの、さっきの提案・・・お願いしたいと思います!」
「そうか、分かった。では早速準備にかかる。続きは機兵の無線で打ち合わせよう」
「はい、分かりました」
無線機を女に返すと、男はそのままドアに向かって歩き出した。
「ちょっと、私はどうすればいいの?」
「無線で伝える。チャンネル開けといてくれ」
男は振り返る事無くコックピットを後にした。