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人間屑シリーズ

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          *

 翌朝七時。
 私は高橋にメールを送った。
『契約の確認が出来ました。頑張ってチャンスをゲットだぜ☆ 君の住むこの街に<死にたくないよ〜スイッチ>を用意しましたー☆ 残りの時間内にスイッチオン♪ で殺害契約解除だぴょん! 頑張るぴょん!』』
 あの手の人間は馬鹿っぽく煽れば煽るほど良いと思った。あの男は激情に任せて冷静な判断が出来なくなるタイプだ。そして確実に契約者として生き残るだろう。だからこそ崎村もあの男を十人目として選んだのに違いない。

 二分、待ってから再びメールを送信する。次はヒントを買わせなくては。
『ヒントあるよ〜〜〜。ヒント。安いよ安いよー。一つ百万円だよー』
 このメールを送信してから三分後には、高橋はヒントの購入手続きを終えていた。

『お買い上げ有難う御座います。では、お受け取り下さい。コレがスイッチです☆』
 という文面と共にスイッチの写メを添付し、送信する。
 高橋からはすぐさま返信が来る。そしてそれはヒントを買うという内容だ。
 高橋に向けて次のヒントを与えるメールを打つ。
「う……シロ……」
 クロはやっぱり寝ている。朝に弱いのだ。
「いるよ、クロ」
 私は携帯画面に集中したまま、クロにそう答える。
「シロ……高橋は……?」
 寝ぼけながらもそう尋ねてくるクロに、私は優しく言葉を返す。
「大丈夫。今、バカ丸出しでヒント買いまくってるから」
「そう」
「うん、クロはもう少し寝てていいよ」
「ありがと……」
 そう言うとクロはまた眠りの世界に落ちていった。
 私は手を休める事無く、高橋とのメールのやり取りを続ける。
 スイッチは高橋の家から半径二十?以内に設置してあるというメールを送ると、高橋からの返信は途絶えた。まずはこの辺りで一度探してみるという判断なのだろう。
 高橋のタイムリミットは明日の夕方五時三十分。あと丸一日以上ある。のんびり構えていよう。
作品名:人間屑シリーズ 作家名:有馬音文