鋼鉄少女隊 完結
「じゃあ、私という音楽とも重なってください。そう、ずっと重なっていてください。とりあえず、来年はまたバンドやりますから、ボーカルお願いします」
「いえ、こちらこそお願いします。で、今までやって来た瞽女唄って、やっぱりあなたの音楽に取り入れるの?」
「いえ、まだわからないんです。もしかしたら、単に音楽の基礎体力養成過程だったかもしれないですね。たぶん、そんなに表立っては出すことはないと思ってます。私のやりたいのはメタルですから」
雪乃は星空を見上げる。
「ねぇ、彩ちゃん。人間が一生かけてやる音楽って、誰かが何処かで聴いていてくれるんでしょうかねぇ?」
銀砂を撒いたような夜空を二人で眺める。
「そうね……。でもこんなきれいな空なら、きっと、誰かあの奧で聴いていてくれるような気がするわ」