鋼鉄少女隊 完結
「じゃあ、お父さん。お母さんのことも……。お母さんは病院で、私達にありがとうって言って、幸せそうな顔で息を引き取ったことにしようよ。私とお父さんがそう思ったら、過去は変わるんだよ。誰もとがめはしないよ。他の人にはどうでもいいことなんだから。だから、もう苦しまないことにしましょう。私たち二人の過去はささやかな花壇みたいなものだから、そこに今度はどんなお花を植えてもいいんだ。お父さん。過去は変えることができるんだよ」
「それでいいのか？」
「うん。それでいい。お父さんと私が合意すればいいだけだよ」
「そう思ってくれるのか？」
「うん。もうそうしましよう」
二人はそうやって、溜まっていた感情を全て吐き出して和解した。
「村井雪乃と一緒にやりたいんだな？」
「はい。私、雪乃も好きだけど、あの子の曲が好きなんです。雪乃の作ったものを歌いたいんです」
「そうか。わかった。二人で一緒にやりなさい。なら、バンドの他のメンバーも集める必要があるな」
「それなんですけど、もう本人らには了解を取ってあるんですけど、浜崎杏奈、吉村由衣も一緒にピュセルを卒業させて欲しいんです。ボーカル、ベース、ギター担当で雪乃に合流したいんです」
「戸田明日香はいいのか？」
「とりあえずキーボードは無くてもバンドとしてはやっていけますので、後々には明日香にも来てもらいたいと思ってます。明日香にはピュセルのリーダを頼みます。あの子はピュセルが好きで、ピュセルの為に生きてきました。だから、最後にあの子にもピュセルのリーダやらせて上げたいんです」