亡き王女のためのパヴァーヌ 完結
「まず、夢魔生成の仕組みについて語る。先ほど話した、夢魔甲体と夢魔乙体から説明してゆく。ちなみに、甲体は後に『公主型』、乙体のほうは『附馬型』と呼ばれた。中国の言葉では公主とは王女で、附馬とは王女の婿養子のことをいう。
附馬型が公主型に示すあまりの自己犠牲と深い愛故に、誰言うとなくそういう通称が出来てしまったのだ」
由紀はぼんやり遠くをみるように感慨に耽った。
「私が世間知らずの頼りない王女で、雪乃が私を守ってくれた夫か……。たぶん、そんな関係だっと思います……」
作品名:亡き王女のためのパヴァーヌ 完結 作家名:西表山猫