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陰陽戦記TAKERU 前編

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 学の一撃が壁を砕いて俺は表に飛ばされた。
 煙の中から飛び出した学は俺に向かって剣を振り下ろした。
 俺がとっさに鬼斬り丸で受け止めるが学の刃は俺にジリジリと近づいてくる。
『どうした武? 今まで鬼を倒してきた君の力はその程度の物か?』 
「……うるせぇよ、まだまだだっ!」
 俺は渾身の力を込めて腹部を蹴り付ける、相手は鎧だからダメージは与えられないが反動で一瞬刀身に掛かる重みが消えると俺はアスファルトに転がると体制を立て直した。
「くらえっ!」
 刀身に黒の光が絡まって横に振ると冷気が吹き荒れる、しかし学は何ごとにもないかのように近づいてくる。
「だったら……」
 黒は止めて白い光を巻きつかせると目にも止まらぬ速さで走り出し、学に斬りかかった。しかし防御力が圧倒的に高すぎて俺の刃は届かなかった。
『ぬんっ!』 
 すると学の目が輝くと学は俺と同じ速度で動き出して俺の刃を止めた。
「なにっ?」
 俺は驚くがこれだけじゃなかった。
 すると学の刀身に冷気が集まり鬼斬り丸の刀身が凍り始めた。
「驚いたかい? これは聖獣達のデータを僕が解析して暗黒天帝様に作ってもらった特別の鬼だ。自分で動く事が出来ない分僕がこうして纏う事で本領を発揮できるんだ!」
 ようするに鎧型の鬼って事か…… 俺達が今まで倒して来た『三式』の鬼達は聖獣抹殺の他にもう一つ、自分達がやられる寸前に集めた聖獣達のデータを暗黒天帝に送っていたのだと言う。
「僕が暗黒天帝様に助言したんだ。この鬼を作り出すのに今まで集めた陰の気の三分の一も消耗する事になったみたいだけど、こうして強力な力を得る事ができたんだ。逆に感謝しないとな!」
「ぐっ、この……」
 俺は後ろに跳んでジャンプする、そして俺は今度は赤い光を絡ませると刀身が炎に包まれ巨大化すた。だが学の剣も刀身に炎に包まれて巨大化する、
「おりゃあああっ!」
「はあああああっ!」
 2つの刃がぶつかると激しい衝撃が走る、お互いの足場が砕けて足がめり込むがそんな事知った事じゃない、だが俺の耳に鈍い音が響いた。
「何だと?」
 ぶつかり合う刀身を見ると俺の鬼斬り丸にヒビが入っていた。
「終わりだッ!」
 学が力を入れると俺の刃の方が砕け散り黒い炎の刃が俺の左肩から右の脇腹までを切り裂いた。