陰陽戦記TAKERU 前編
やっと俺達は研究所にやって来た。
途中桐生さんの車がガス欠を起こし、止む無く電車で来る事になったがバスに乗れなかったので結局時間を喰って夜になっちまった。
「……面目ない、」
桐生さんは頭を下げた。
何せ桐生さんは夏休みで帰って来てる訳だから働いてないので金が無いらしい、
俺や美和さんも給料前だから金が無い、ここに来るまでで有り金全部使っちまった。
学の野郎、目ぇ覚まさせたら絶対必要経費請求してやる。
「それよりどうする?」
二階建てのかなり大きな建物だった。ここの所長って事は本当にすげぇ人なんだな。
「美和さん、どうだ?」
すると美和さんは目を閉じて気配を探る、
「間違いありません、結界が張られています」
「当りだな、」
結界なんてモンが一般人に張れる訳がない、となるとここに加奈葉や学達がいるって事か!
「でもどうします? 少し休みますか?」
正直ここまで歩いてきてヘトヘトだがそんな暇は無い、時間を見ると作戦決行まであと僅かだった。
「いや、ここまで来たら遠慮はいらないだろ。」
俺は鬼斬り丸を構えて青龍の力を込めた一撃を放った。結界はガラスのように砕け散ると俺達は研究所に突入して行った。
作品名:陰陽戦記TAKERU 前編 作家名:kazuyuki