陰陽戦記TAKERU 前編
その頃、宮内診療所では加奈葉が武の帰りを待っていた。
本当は自分も探しに行きたかったのだが両親が留守の以上は診療所にいなければならなかった。
「遅いなぁ、どこにいっちゃったんだろ……」
武が座っていたソファーに座ると隣りにある太刀を見て手に取る、引き抜こうとしたが抜けなかった。
「何これ? レプリカ?」
そう思った瞬間、突然太刀が輝き始めた。
「きゃっ? な、何?」
すると太刀はフワリと宙に浮かび上がると玄関の窓を破って飛んで行った。
「何? 何なのよ?」
加奈葉は両親との約束も忘れて飛んで行った太刀の後を追いかけた。
作品名:陰陽戦記TAKERU 前編 作家名:kazuyuki