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陰陽戦記TAKERU 前編

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 俺が持つ玉はやがて光を失った。
 すると光の壁を突き破ってあの刀が飛んできた。
「な、何だ?」
 それは俺の前に止まると俺は開いている左手で鞘をつかんだ。
「……使えってのか?」
 俺は玉をポケットにしまって右手で柄を握り締めてゆっくりと引きぬく、すると刀から眩い光が溢れ出し、光り輝く剣となった。
 まるで何かのゲームみたいだった。
「何だか知らねぇが、女の子をイジメんじゃねぇ蜥蜴野郎っ!」
 俺は両手で刀を構える。
 すると怪物は口から火炎弾を放ってくるが振り上げた刀で一刀両断に切り裂いた。
「す、すげぇ!」
 何度も何度も放ってくる火の球を俺は何度も剣で切り裂いていった。
 攻撃が無駄だと分かったのか怪物は火の球を打たなくなった。
「今だ!」
 俺は突進する、
 しかし相手の武器が火の球だけでは無い事を俺は忘れていた。
『クオオッ!』
 今度は長い舌が伸びて俺に巻きついた、ヌルヌルしてて気持ち悪い、
「は、離しやがれ!」
 俺は振りほどこうとする、
 すると舌を伝って炎が放たれた。たちまち俺は火ダルマとなった。
「うわああっ!」
 俺が炎に包まれるとそれを見ていた女の子は口を抑えた。
 しかしその子の顔を見た瞬間、俺の両腕に力が入る。途端ポケットに入れた玉が再び強い光り輝いた。
「うおおおぉぉーーっ!」
 俺は化け物の舌を力任せに引き千切った。
 何でこの時こんな力が出たのかは分からなかったが今はそんな事は関係なかった。
 何か知らないがこいつが許せなかった。理屈じゃ無い、彼女の姿の傷付く姿を見た時から何故か腹の虫が治まらなかった。
 俺は思い切り高く掲げた剣を全力で振り下ろした。
「うりゃああっ!」
 しばらくの間沈黙が走る、だけど俺は分かっていた…… 勝った!
『グッ、ググ……』
 怪物の頭から金色の亀裂が走る、すると怪物は左右に真っ二つに切り裂かれると白い炎を立てて大爆発、木っ端微塵に砕け散った。
「はぁ…… はぁ……」
 俺はその場にしゃがみ込んだ。
 すると女の子が近づいてくると俺の側に座って俺の頬に手を当てる、俺は思わずビクついて顔が熱くなった。顔が近いぃッ!
「大丈夫、ですか?」
「えっ? あ、うん……」
 俺の声が裏返っていた。何で緊張してんだ俺は? 
 そんな事を考えていると空や周りを覆っていた光の壁が消えて行くと元の星空と路地と住宅地と言う元の風景に戻った。
「どこ言っちゃったのよ?」
 するとその時、加奈葉が側にいた。
 どうしてそこにいたのかは分からないが俺達と目が合うと加奈葉は固まった。
 俺達はアスファルトに座り、女の子は俺の頬に手を当てて顔は物凄く近い位置にあったからだ、無論俺はちゃんと説明しようとした、だが……
「なっ、ななな…… 何やってんのよアンタ達っ?」
「い、いや、これはだな…… ええと……」
 どう説明していいか分からなかった。
 すると加奈葉の目は釣りあがり怒りが限界を超えてプチンと言う何か切れる音が聞えたような気がした。
「この大馬鹿野郎―――っ!」
 加奈葉の怒声はオゾン層を突き抜け宇宙まで飛ぶかも知れないほど大きかった。