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陰陽戦記TAKERU 前編

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 辰弥は蛸の鬼のしなやかに動く6本の触手を掻い潜り反撃を試みた。
 しかしまともに攻撃する訳にはいかない以上決定的なダメージを与える事が出来なかった。しかし……
「こいつ、やる気があるのか?」
 桐生はさっきから鬼を見て気になる事があった。
 それは鬼がまともな攻撃をしてくる事がなかった。
 一応二式の鬼らしいのだが敵は触手をただ振り回して来るだけだった。。
「まさか…… 足止めかっ?」
 となると表で待っている拓朗達が気になった。
 しかしその瞬間辰弥に隙が生じ触手が首や腕に絡まった。
「しまっ……グッ!」
 辰弥は呼吸がロクに出来ない状態になってしまった。
 必死で触手を振り解こうと手に力を入れるとその時だ。突然鬼の方が苦しみ出した。
『ギャアアアアッ!』
 巨大な鬼の唐竹から赤・青・金の光が飛び出すとそのまま下に降りて体を真っ二つに切り裂いた。
 鬼は亀裂から青白い炎を噴出すとその場に倒れて爆発した。そこで一瞬辰弥達は目を閉じるが目を覚ました時に映ったのは鬼の体内から脱出した武と美和だった。