陰陽戦記TAKERU 前編
その頃発電所の表で待機していた拓朗と香穂は加奈葉を庇いながら表に出た鬼となった作業員達と戦っていた。
「せりゃあっ!」
「はああっ!」
バスケットボール大の氷塊と真空波を放って鬼達を薙ぎ払った。
攻撃がヒットした鬼達はたちまち人に戻る、幸いまだ生きているが戦いが終わらない以上は放って置くのは危険過ぎる。
「ふんぬぅ〜〜っ!」
加奈葉は邪魔にならないように作業員達を安全な場所まで連れて行った。
無論女の腕力なので引き摺りながらだが……
「はぁはぁ…… 何で私がこんな事を……」
するとその時だ。
今加奈葉がいる場所から100メートルほど離れた場所にある扉が開くとそこから人影が出てきた。
思わず隠れてしまったがコッソリと覗いて見るとその顔を見て目を見開いた。
「あいつ、何でこんな所に?」
その人影は裏手にある森の中に入って行くと加奈葉はその後を追っていった。
作品名:陰陽戦記TAKERU 前編 作家名:kazuyuki