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陰陽戦記TAKERU 前編

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 翌朝、俺達は2人づつ分かれて朱雀を探索した。
 俺と加奈葉が図書館で資料の調査、美和さんと桐生さんが車で町中を探索、拓朗と香穂ちゃんは学校の自由研究と称してにして年配の方々に事情聴取をする事になった。
 これまでで分っている事は2つ、聖獣達はそれぞれが守護する東西南北の方向に飛んで行ったと言う事、そしてもう1つが落下した場所は祠や境内などが立っていた。
 青龍に関しては落ちた場所は今は埋め立てられてしまったが昔は湖で、地脈が集結した龍脈と呼ばれる場所らしい。地脈と言うのは大地を流れるエネルギーの事で龍脈はそれが集まる場所だと美和さんが言う。
 そこまでは分かった。しかし……
「だぁぁ〜 分からねぇ……」
 肝心の居場所が分からなかった。
 古い資料を探しては見るけど朱雀の飛んで行った南には神社も祠らしい物も見つからない、この町も色々あって作られたんだろうけど正直言って手詰まりだった。
 本当に朱雀なんているのかなぁ? そんな事を言ってると加奈葉がやって来た。
「美和さんが怒るわよ。そんな事言ったら……」
「だってよ……ってお前どこ行ってたんだ?」
 こいつはさっき『ちょっと』と言い出して携帯電話片手に外に出ていった。
 メールしてたみたいだが、どこに言ってたんだ?
「友達に連絡してたの。身の回りで変わった事は起きてないかって……」
「って関係のない奴巻き込むなよ!」
「そんな事してないわよ。暗黒天帝や朱雀の事は話してない。ただ気になる事があったの」
「気になる事?」
 それは朱雀が飛んで行った南の方には火力発電所があるのだが時々電圧が異常に下がると言う現象が起こっていた。
「ほら、亜由美のお父さんってあそこの所長でしょう?」
「ああ、そんな事言ってたな……」
 その為かあいつは電気の事にうるさかった。
 まるで『電気を大切にネ!』のキャラクターかと思いたくなってくる。
「でもそれがどうかしたのか?」
「そうそう、あそこ昔は処刑所で、近くに慰霊碑が立ってるらしいの」
「……あんま関係ないみたいだけど、それだけで朱雀と決め付けるのは早いんじゃねぇのか?」
「フフン。それも調べがついてるわよ。」
 こいつ情報屋のつもりか?
 偉いのは情報提供した亜由美であってお前じゃ無いだろうに……
「失礼ね。慰霊碑の事は博よ!」
 どちらにしろ同じじゃねぇか。
 何度も言うがお前が偉いんじゃねぇよ。
「その発電所付近で怪物が目撃されたんだって、聖獣がいた場所には鬼がいたじゃない?」
 そう言えばそうだな、
 殆どが暗黒天帝が放った刺客、幸い俺の麒麟にはまだ放たれてないけどな、ちなみに怪物の情報は学から聞いた事らしい。
「とりあえずは行ってみる価値はあるけどな」
 俺は本を仕舞うと美和さん達や拓朗達に連絡を入れた。