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陰陽戦記TAKERU 前編

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 表では辰弥・青龍と鬼が銃撃戦を繰り広げていた。
 しかし鬼は自分が不利になると地中に逃げ込み辰弥達の攻撃を無効化した。
 さらに地面の中を潜水艦のように進む事ができるので向こうからは攻撃がし放題だった。
 突如鬼の姿が消えると辰弥の足元がぬかるみ、そこから鬼が大口を開けて飛び上がった。
「チッ……」
 辰弥は鬼が現れる瞬間前に飛んで敵の攻撃を交わし、固い台地に転がりながら銃口を向けた。
 しかし鬼はそれより早く地面に潜ってしまった。
「青龍、こうなったらあの手しかない、いけるか?」
『それは構わ…… ん?』
 すると青龍は館の2階の窓が青く輝いているのに気がついた。
 辰弥もそれに気付くと不思議そうに目を細めた。
「あれは…… お前の光に似てるな?」
『ええ、どうやら気付いたみたいですからね』
 青龍は麒麟と再会し力を与えた。
 しかしその時に条件をつけて自分の力が覚醒するように細工をしたのだった。
 その条件とは武の戦う理由だった。
『鬼を倒すに必要なのは力だけでは無いと言う事です、たとえそれがあっても吊り合うだけの意思と思いがなければただの破壊の力と化す、彼はどうやら分かったようです』
「何だ、人間は嫌いじゃなかったのか?」
『私とて全ての人間が嫌いな訳ではありません、ですが人間は力を持てばすぐに調子に乗り暴虐の限りを尽くす、私は他の聖獣達と違い少し試練を与えたに過ぎません。』
 青龍が言うと辰弥は鼻で笑った。
「素直じゃ無いな、」
『よ、余計なお世話です……』
 青龍の顔型の銃口は赤くなった。
「さてと、そろそろ本気を出すか!」
 すると銃が輝き出すと形を変えてライフル型となった。
 辰弥は目を閉じると神経を集中させた。
「……来るッ!」
 目を見開くと両膝のバネを利用して大ジャンプ、途端辰弥いた場所から鬼が飛び出した。鬼は飲み込もうとした相手が自分のさらに上にいるのに気付くが時すでに遅し、自分に向かって青龍のライフルの銃口が向けられていた。
「終わりだ!」
 その指が引き金を引くとライフルから青い閃光が放たれて鬼の大きく開いた口から体を貫通した。
『ゴガアアーーーッ!』
 鬼の体が閃光に包まれて爆発、一足早く地面に着地した辰弥は両手を広げて鬼になった警察官を抱き止めた。
「……さてと、」
 辰弥は青い光の見えた窓を見上げた。
 自分と志を同じくする仲間の活躍を信じて……