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陰陽戦記TAKERU 前編

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 一方、ここでは暗黒天帝の新たな計画が進められていた。
 今暗黒天帝は協力者の携帯電話に移りこみ、誘拐してきた人間達に術をかけていた。
 人々は巨大なシャボン玉のような結界に囚われて蹲り、恐怖に顔をゆがめながら眠っている。
『ククク…… いい具合だ。これなら数日中には我は復活できる』
 暗黒天帝は考えた。
 人々に無理矢理恐怖に陥れるのが効率が悪いのならば人々に悪夢を見せ続け、昼夜問わずに陰の気を集めさせる作戦に出たのだった。
 しかも今まで誘拐してきた人間は10人を越えている、世間ではちょっとした騒ぎになっているが鬼による犯行ならば決して足が付かない、
『そしてここは人間供が寄り付かない、絶好の隠れ場所だ。』
 すると暗黒天帝は背後を見る、そこには黒い影が渦を巻いている、
『今夜も決行する、我らはこれから行かねばならぬが、お前の仲間をもっと増やしてやろう……』
 暗黒天帝はそれだけ言うと協力者と共にそこから出ていった。