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陰陽戦記TAKERU 前編

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 同時刻、暗黒天帝は北の方角に聖獣の気配を察して聖獣殲滅を命じた刺客を放ったが鬼達全ての気配が消えてしまった。
『チッ、役に立たぬ奴等め!』
 暗黒天帝は忌々しそうに顔を歪ませる、
 聖獣の居場所は分かっている、しかし問題は兵力だった。
 世に放った鬼はまだたくさん存在するし自分が復活するだけに必要な陰の気もそれらを使って集まりつつある、
 しかし聖獣を倒せるだけの鬼が存在し無いのが問題だった。
 確かにこの時代は平安時代に負けず劣らずの欲望に満ちている、だがそれだけでは強力な鬼を作り出す事はできない、鬼を育てるには人の中で陰の気を喰らわせるしかないのだが大抵の人間達は鬼と化して暴れると簡単に欲望を満たしてしまうのだ。
『ええい頼りない奴らめ! こうなれば我自らが出るしかあるまい!』
 するとキーボードを叩いていた男が言う、
 現代の人間の欲望とは大抵が欲しい物がある、美味い物が食いたいなど時間や金をかければ簡単に満たしてしまうものだからだ。
 人間の欲望は量より質、濃ければ濃いほど強力な陰の気が出来上がるのだ。
『そんな事は分かっている! だが貴様の時代にいるのか? 欲望が溢れすぎて自らをも滅ぼしかねない者が!』
 すると男がパソコンの画面を見せた。
 そこには一人の男の顔が映っていた。
『この者が相応しいとでも言うのか?』
 すると男は頷く、
『よし、ならば我の力を貴様に授ける、みごと聖獣を倒してみせよ!』
 すると暗黒天帝が憑依しているパソコンの画面から黒く禍々しい光が溢れ、側で充電してあった携帯電話に注ぎ込んだ。
 男はそれを取ると口の端を上げて邪悪な笑みを浮かべた。