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陰陽戦記TAKERU 前編

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俺は家に帰ると美和さんと加奈葉で会議を始めた。
 題名は『香穂ちゃんの不思議を明かそう』だった。
「あの子の名前は白石花穂、風祭神社に預けられている子だそうだ」
「預けられてるって、そこの子じゃないの?」
「ああ、あの子の両親は二ヶ月前に火事で死んだらしい」
 二ヶ月前のある日、香穂ちゃんの家が火事になったらしい、
 焼け跡からは両親の亡骸が発見、しかし香穂ちゃんだけは無傷で助かったのだと言う、何でも当時飼っていた犬が香穂ちゃんを守るように瓦礫の下敷きになってたかららしい、
「可愛そうに、家族がいないなんて……」
 美和さんも気持ちが分かるのだろう、顔を沈めた。
「それだけじゃ無いみたいだぜ」
「まだあるの?」
 俺も聞いた話だから良く分からないがあの子の周りで不思議な事が起こってるとの事だった。
転校早々イジメられたのだがそのイジメっ子達が入院するほどの大怪我を負ったり学校中のガラスが割れたりと、いつも事故の中心で香穂ちゃんがいるので彼女がやったのでは無いかと噂され、学校では話をする者さえ居ないと言うのだ。
「二月前か…… 確か暗黒天帝が現れた時よね? まさか……」
 加奈葉は香穂ちゃんに鬼が取り付いているのでは無いかと言ってきた。
 でも自分の家を焼き払うか普通?
「いずれにしろその子に一度会ってみた方がよさそうです、鬼が憑いていたら大変です……」
「そうだな」
 俺もあの子があのまま学校で一人ぼっちで過ごして行くのも可愛そうだ。

 翌日、俺は学校が終わると美和さん、加奈葉を連れて風祭神社へやって来た。
 そこでは鈴華さんが箒を持って掃除をしていた。
「あ、武君」
「どうも」
 俺は軽く頷く、後ろの2人も軽く頭を下げて挨拶をする。
 しかし今日はまだ香穂ちゃんは帰ってないらしい、
「多分またあそこだと思うけど……」
「あそこ?」
 俺達は首をかしげた。