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陰陽戦記TAKERU 前編

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 その頃、1人の男が部屋に帰宅した。
 昼間だと言うのにカーテンを締め切った真っ暗な部屋の天井を見るとそこには無数の小さな鬼蜘蛛達がひしめき合っていた。
 そして机の上のパソコンに暗黒天帝が現れた。
『帰ったか…… 見よこの数を……』 
 男は再び天井を見上げる、始めは1匹の蜘蛛だったがこの数日で100を越えるほど増殖したのだった。
『そちの言う通りぞ、この世界は『ストレス』と言う物に満ちている…… 平等や信頼など所詮は言っているだけに過ぎん、心の底では人々を罵り合いやり場の無い怒りを発散したいと思っている、それを刺激してやるだけでこれだ、笑いが止まらん』
 暗黒天帝は大きく口を開けて笑い出した。
『これだけの数がいればかなりの人間に恐怖や絶望を味合わせる事が出来る、そうすればこの地を闇に染め上げ聖獣の力を打ち消す事ができる、我は復活できる』
 暗黒天帝は窓を見る、
『して、例の件はどうなっておる?』
 すると男は頷いた。
『ククク…… この世界に混乱と恐怖を撒き散らしてくれる!』
 すると蜘蛛達の複眼と腹の目が怪しく輝いた。