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陰陽戦記TAKERU 前編

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第一話 出会い


 俺は夢を見ていた。
 顔がよく見えないが奇麗な女の子と男が戯れていた。
 着ている服から平安時代らしいが詳しい事は分からない、歴史の教科書で見た事はあるが何しろこの前の歴史のテストは45点だったからなぁ……
 しかし何とも羨ましい夢だった。
 野郎は女の子と蹴鞠をしたり一緒に湖を歩いたりと今の俺にはありえなかった。
 何しろ彼女いない暦17年だからな、笑いたい奴は笑いやがれ、こっちも悲しくて笑えてくるぜ、
 などと言っている間にとうとうクライマックスを迎えていた。
 満開の桜の木の下で男は少女に懐から笛を取り出して渡し、少女は両手で持っていた一本の刀、太刀と言うのだろうそれを男に渡した。
 すると男は開いていた右手で少女を抱き寄せると唇を近付けた。おい止せ、そこまで見せ付けるな!
「止めろぉーッ!」
 そこで俺は目を覚ました。
 辺りを見回すともう朝だった。外では雀が何事も無かったように囀っていた。
「……夢か」
 そんな事は分かっていた。
 しかし何故言ってしまうのかは俺にも分からなかった、お約束か条件反射だろう、寝癖の立っている頭を掻き毟りながらため息を零した。
「はぁ、何だったんだ一体?」
 俺はため息を零しながら立ち上がると顔を洗おうと洗面所に向かった。

 ここで自己紹介をしておこう、
 俺は藤岡武17才、6月14日の双子座生まれで血液型はA型、さっきも言った通り彼女いない暦17年のどこにでもいる普通の少年だ。
 今はこのだだっ広い家で1人暮らし、と言うのも去年親父とお袋が事故で同時に逝っちまって他に身寄りの無い俺はこの家を受け継いだと言う訳だった。
 両親が死んだ事は悲しかったし今でも思い出すと切なくなるが一人暮らしの方は今やすっかり慣れちまって勝手にやらせてもらっていた。
 トーストとインスタントコーヒーと言う質素な朝食を済ませると学ランに着替えて荷物を持つと外に出た。
 鍵を掛けて外に出ると通っている学校へ向けて歩き出した。
「ふぁ〜……」
 季節は春、いくら寝ても寝たりなかった。おかげで昨日も担任に怒られちまったよ、そんな事を思っている内に俺は通っている『私立星峰学園』にやってきた。
 この辺には学校はここしかなく近所の連中の大半はここに通っていた。
 俺はかなりギリギリだったがな、そして自分のクラスである3年2組の教室へやってきた。
「おはよーす。」
 クラスメートに適当に挨拶を済ませると自分の席に座った。
 それから授業が始まりいつもの通りの日常が始まった。
 退屈な授業を受けて休み時間や昼休みなどは友達と供に飯を食ったり昨日のお笑い番組の事で話し合ったり、放課後はコンビニでバイトをする、そして弁当を買って帰る、それが俺の日課だった。
「ふぁ〜、今日も疲れた〜……」
 帰ったら風呂に入って寝る、明日も明後日も明々後日もずぅーと同じ日々が続くと思っていた。
 まぁ、別に不満がある訳では無いけど、ただちょっとくらいは変化が欲しいなぁ、そう思っていたのだ。
 そう、たった今この時までは……