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陰陽戦記TAKERU 前編

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序章


 暗闇の洞窟の中でその戦いは行われていた。
 首に赤、青、白、黒、黄の五つの宝玉の繋がった首飾りをぶら下げた陰陽師の少女がたった1人で太刀を振るって異形の怪物達を切り裂いて行った。
『ギャアアアッ!』
 断末魔と供に異形は地面に倒れると青白い炎を立てて消滅する、
 しかし少女の目の前にはまだかなりの数の異形が残っていた、ざっと数えて20は越えているだろう、少女は細い眉を釣り上げて太刀をしまうと肩にかけてあった弓を取り出して舷を引く、途端弓が金色の光を放つと1つにまとまり1本の光の矢となった。
「滅ッ!」
 放たれた光の矢は流れ星のように尾を引きながら飛んで行き異形達の一歩手前で破裂すると洞窟内を眩い閃光が包み込んだ。
 すると異形達はその光に苦しみ出し消滅してしまった。
「はぁ、はぁ……」
 残された少女は両肩を上下に動かして息を整えた。
 しかしそんな彼女に休息の暇すら与えるのが惜しいかのように目の前に炎の様に揺らめくどす黒い影が浮かび上がった。やがてその中に人の顔が出現した。
 いや人の顔と呼べるかどうかは分からないが二つの不気味な眼光が輝くと鳥肌が立つような声で喋り出した。
『女の腕でよくぞここまで戦えたものだ。敵ながら見上げたものよ』
 すると少女は影を睨み吐き捨てる。
「だったらさっさと消えてくれないかしら? 貴方の為にどれだけの人達が命を落としたと思ってるの?」
 少女の瞳は怒りに燃えていた。
 だがそれだけではなかった、
『愚か者め、人間の命など余から見れば虫けらも同然だ、貴様の想い人もそうであったようにな!』
「貴様っ!」
 挑発に乗ってしまった少女は弓を投げ捨てて太刀を抜き、敵目掛けて切りかかった。しかし、
『ヌンッ!』
 鋭い眼光から光線が発射されて少女の太刀を弾いた。
「きゃあっ!」
 太刀をその場に落ちると黒い影は次の攻撃を放った。
『クワアッ!』
 黒い影の口から黒い球体が放たれて少女の腹部に激突、勢いよく後ろに飛ばされてしまった。
「あぐっ!」
 少女は大きく仰け反り痛みに歯を食いしばると目の前に先ほど投げ捨てた弓が映った、手にとって素早く体を起し弦を引こうとするが腹部の激痛に顔を歪ませる、その隙を黒い影は見逃さなかった。
『これで終わりだ。あの世であの男と再会しろ!』
 黒い影は洞窟内を包み込むと口を大きく開いて今度は黒い波動を放った。
 しかし少女は右肩の痛みに耐えて弦を引くと弓に持てる全ての力を注ぎ込んだ。
「聖獣達よ、私に力をっ!」
 首飾りの5つの宝玉が強い光を放つと首から離れて少女の目の前で五亡星を形作った。
 弓の中に作った光の矢を五亡星の中に放つと巨大な金色の波動となって黒い波動とぶつかった。
 2つの波動がバチバチと言う音を立てて総裁すると2人の間の空間に亀裂のような物が走り音を立てて砕け散った。
「なっ?」
『何っ?』
 砕けた亀裂はやがて裂け目となり周囲の物を吸い込み出して洞窟内も崩れ始めた。
 黒い影も少女も立っていられずに裂け目に吸い込まれてしまった。
「きゃああーーーーっ!」
 裂け目はやがて消滅し、周囲は静寂に包まれた。