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陰陽戦記TAKERU 前編

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第三話 鬼の声


 その夜、雷鳴轟きバケツをひっくり返したような雨が街に降り注いだ。
 そしてここはとあるマンションの一室……
『ククク…… 素晴らしい、素晴らしいぞぉ……』
 暗い部屋に三台のパソコン、その内の一台の中に暗黒天帝はいた。体の無い暗黒天帝はインターネットに入り込みこの世界の事を調べあげたのだ。
 この世界が平安時代から千年以上の未来だと言う事、さらもこれまでに起こった戦争、事件、人々の悪意……
『この箱一台でこれほどの事を知りえようとは…… そちの働きは見事だ。褒めて遣わそう』
 暗黒天帝は画面の前に座っている者を見るとその者は頭を下げた。
『先の件は結局失敗に終ったが…… まぁ良い、回復までの時間稼ぎには丁度良い』
 先の件とは無論例の交通事故だった。
 20年前に死んだ暴走族の魂に自分の力を注ぎ込む事により鬼に強制変換させられて暴れさせられた。早い話がただの実験だったのだ。
『結局人の心は変わらぬ、自分勝手な欲望で身を滅ぼし、それを他人のせいにする…… まぁ、あの程度の憎しみではあの程度のものしか造れぬ…… もっと強い負の力が必要だ』
 すると画面の前の人間が進言した。
『む、そちに考えがあると申すか?』
 その者は頷く、暗黒天帝は口の端を上げて笑い出した。
『よし、ならば貴様に任そう、我が力を取り戻す為にその力を我に使うのだ!』
 暗黒天帝の目が見開くとそれに反応するかのように空に閃光が走った。