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陰陽戦記TAKERU 前編

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 研究のに残った学と加奈葉は武達が気がかりだった。
 とりあえず星命町の方を心配で見ていた。
「……やっぱり心配か?」
「学……」
 加奈葉は俯いた。
 しかし学は何て言葉をかけていいか分からなかった。
「……学、武は勝てると思う?」
「えっ、ああ……」
 学は正直勝って欲しいと思っている、
 しかし正直弱点が分かっても勝てる見込みは薄い、それは一番身近にいた学ぶがよく分かっている。
「どうだろう、さっきも言ったけど勝ち目は薄い、でも……」
「でも?」
「武は昔から諦めなかったよね?」
「えっ?」
 加奈葉は思い出した。
 小学校時代にイジメっ子に取られた参考書を取り返す為に武は相手が複数だったにも関わらず1人で取替えし、少年野球をやっていた時、負けが決まりそうになってもただ1人諦めなかったりと、例え負けが分かっていても立ち向かった。
「僕はあまり偉そうな事を言えた義理じゃ無いけど、武は信じてもいいと思う」
「……そうよね、私達が信じなきゃいけないわよね。ありがとう、学」
 加奈葉は微笑してくれた。
 この時、学は始めて自分自信が加奈葉を笑顔にする事が出来た。
 結局武が絡んだが誰の力も借りずに人を喜ばせる事に成功したのだった。その瞬間学の心は温かくなった。