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その扉を開けたら

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マンションに向かう坂道にさしかかったところで、絵里が突然思い出したように叫んだ。

「はじめ、アンタ引越しできる?」
「はあ?」
金も無いのに引越しなんて出来るわけじゃないじゃん。

「引越しできるなら、アンタに仕事紹介してあげられるかもよ?」

まじで?!
さっきまでぼんやりだった視界が急に鮮明になる。
「うっそ!なんで!?」
ガバッと起き上がったワタシを見て、絵里がニヤリとした。
「アンタ社長の私と友達でよかったわね」


「……ただし。ちゃんと面接あるから。よろしくね?」


作品名:その扉を開けたら 作家名:ろし子