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妖怪のいぶき

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第八夜「嫉妬」




僕が彼女に初めて会ったのは接待の席だった。
それは、客とコンパニオンの関係性で終わるはずだったのだが。
それなのに…街で偶然素の彼女に会った時僕は恋に落ちてしまった。

夜の彼女はプロそのものだった。
島田髷にお引摺り、詰袖の着物、踊り、三味線、どれをとってみても艶やかな彼女。
コンパニオンさんと言ったら「私は芸妓です」と一喝された事を思い出す。

そんな彼女に日の当たる場所で出会って半年…僕らは幸せな日々を送っていた。

ある日、学生時代の先輩に誘われキャバクラに行った。
そこで働くルナという娘にまたまた一目惚れ…
何度目かのデート中、彼女にばったり出くわした。
しかし、彼女は知らん顔で通り過ぎる…流石プロの芸妓。
が、部屋に戻った僕に彼女はこう言った。
「浮気するなら死ぬ気でおやりよ」
と…冷たい井戸の底から響いてくるような声で。
背中に冷たい汗が滴る。

その後ルナからの連絡は途絶えた。
まぁ、僕も彼女の怖さを知ってから浮気はよそうと思ったからいいけれど。

そして数日が過ぎた頃、部屋で三味線の練習をする彼女。
「あれ、三味線新しくしたの」
「ええ、最近飛び切り上等な若い雌猫の皮が手に入ったものだから…フフフッ」

彼女は笑った…口が裂けんばかりに。
僕は、三味線に本物の猫皮を使っている事に少しぞっとした。



今回の妖怪:猫又、人間の女性に変化する猫又は三味線を奏でるという。
それは、同族を哀れんでの行動とされるが…

⋆三味線はその昔雌の猫の皮を使っていた。



作品名:妖怪のいぶき 作家名:槐妖